2012/01/08 冬の入浴時のヒートショック注意報
2012年01月09日
明けましておめでとうございます。新年を迎えて最初のブログです。
今日、私は名古屋の熱田神宮に、やや遅めの初詣に行ってきました。
晴れた1日ということもあって十分な人出でした。
せっかくの機会なので、本殿以外にもいろいろな社にお参りをしてきました。
お参りをすると、不思議に新鮮な気持ちになれるものですね。
さて、ローカーボ食の続編も残っていますが、真冬ということもあって、本日は脳卒中関連のお話です。
私が重要な病気として診させていただいている高血圧症の患者さんが、冬に最も気を付けなければいけないのが、脳卒中です。
脳卒中とは、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血の3つをあわせた総称ですが、これらは冬に起こりやすく、高血圧との関連が非常に強いものです。
脳卒中が最も起こりやすい時間帯は早朝で、これは本文中の早朝高血圧と関連しますが、もうひとつ、気を付けるべきは入浴中およびその前後の時間帯です。
入浴の際の血圧の急激な変化が危険なわけで、これについて最近、ヒートショックという言葉が使われ、マスメディアでも紹介されるようになりました。
ヒートショックとは、一般には急激な温度変化によって起こる病的な状態のことです。
入浴の前後の血圧変化は、どのようになっているのでしょうか。
具体的には、まず寒い脱衣所で血圧が上昇し、すぐに熱い湯の浴槽につかると、その瞬間にさらに血圧が急上昇し、
浴槽内で体が温まってくると血圧が急降下し、急いで浴槽から立ち上がると、いわゆる起立性低血圧という機序で血圧がさらに降下し、また寒い脱衣所に来ると血圧が上昇する、といった具合に、実に何度も血圧が変化するのです。
これを聞いただけでも、熱い浴槽が危険なものに思えてきませんか?
浴槽が各家庭にある、という、日本独特の文化のために、我が国ではヒートショックが冬に多いのです。
高血圧症の患者様は、これらのことにとくに気を付けていただくべきで、日頃の診療でも、高血圧症の患者さんに、冬の注意事項としてお話するようにしています。
もちろん、家庭血圧を記録して、しっかりコントロールすることが、まずは基本です。
少し怖がらせてしまったかもしれません。ではどう対策すべきかについては、下のサイトがよいと思います。ぜひご参考にしてください。
ヒートショックの原因と対策
http://hayr51.biz/heatshock/910/010/
ヒートショックは入浴の前後だけに起こるのではないことは十分理解いただけたと思います。
例えば、高血圧症の患者さんにとって、ウオーキングなどの運動習慣はもちろんいいことですが、寒い朝にするのは、お勧めできないことになります。
あらためて思うのは、情報化時代といわれる今日、気を付けていると、このような情報はあちこちから入ってきます。
このヒートショックという言葉にしても、テレビのニュース番組や新聞などで紹介されているはずですが、言葉の意味が十分に理解できなければ、インターネットという、すばらしい情報源があります。
私もこのブログを通じて、皆様に少しでも有用な情報を提供することができれば、大いに幸いです。
愛知県名古屋市千種区にある内科で食事療法による高血圧や糖尿病治療ならむらもとクリニックへ