2012/07/02 日本人に最適の糖質摂取量は?@名古屋 内科

2012/07/02 日本人に最適の糖質摂取量は?@名古屋 内科

2012年07月02日

まだ梅雨が続きます。雨はやっぱり気が晴れませんね。
まずは梅雨の時期にみられる病気に効く漢方薬のことを少しだけ。

梅雨の季節になると頭痛が治らない。体のどこかがうずく。なぜかめまいがする。
こういったお悩みの方はいらっしゃいませんか?
これらは漢方医学でいう「水毒」を疑わせる症状で、利水薬という範疇の漢方薬がよいです。
「漢方薬ってすぐには効きませんよね?」と訊かれることは多いのですが、利水薬には即効性もあり、ぜひお試しください。西洋の頭痛薬だけに頼るのはよくないです。

では本題ですが、日本人に適した1日の糖質摂取量は?
実はまだ正確なことはわからないのです。実際、簡単に決められる問題ではないでしょう。
先回のブログにとりあげたように、日本糖尿病学会がとりあえず1日130g前後、としたわけですが、今後、議論されながら様々に変化してゆくでしょう。
例えば体重別、身体活動別といった視点でもバリエーションがあると思います。

こういった視点は従来のカロリー制限食にすでに取り入れられており、身体活動別に1日の総摂取カロリーを決め、糖質(炭水化物)はその60%程度、脂質は20%程度、タンパク質も20%程度にするべき、と決められていました。
完璧な食事指導のように見えます。
しかし、問題点のひとつは、60%という数字には、真の根拠がなかったわけです。
もうひとつの問題点は、日々の食事を、そんなにうまく調節できないことでした。

例えば高血圧の患者さんをずっと経過観察していますと、年齢とともに次第に糖尿病予備群~軽症糖尿病になってゆく患者さんが多くいらっしゃいます。
驚くべきことに、そのほとんどは、「まったく普通の」食生活をしておられます。例えば、朝は食パン1枚とサラダ、昼や夜は茶碗に軽く1杯の白米と副食1~2品。間食や飲酒は一切なし。
この食事で糖尿病になってしまうことがあるという事実を、皆さんはどのように思われますか。
上の例で糖尿病になる人、ならない人の差は、確かに遺伝的要素もあるようです。
しかし、既に認知されているように、日本人を含めた東洋人は、欧米人に比べて膵臓からのインスリン分泌能が平均的に低いのです。

糖尿病予備群のことを、医学用語では耐糖能異常、と呼びますが、耐糖能、という言葉が示すとおり、糖を摂ってもそれに「耐えきれるかどうか」の能力、すなわちインスリン分泌能がどれほどあるのか、がポイントです。
男性80年、女性86年、という平均寿命の中で、一見普通に思われる食事が耐糖能の破綻をきたしてしまうという事実から、茶碗1杯の白米に、日本人は「耐えきれないかも知れない」と考えるべきでしょう。
それならば、膵臓への負担を軽くしたい。つまり糖質摂取を減らしたいものです。

糖尿病になりそうな遺伝体質のある人はどうすべきか。
それはまた後ほど。
愛知県名古屋市千種区にある内科で食事療法による高血圧や糖尿病治療ならむらもとクリニックへ

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