2012/09/02 糖質制限とカロリー制限 @千種区 内科
2012年09月02日
いつしか9月、しかしまだ残暑厳しく、熱中症対策も続ける必要があります。
ところでみなさんが今、面白いと思われるテレビ番組はありますか?
私個人的には、NHK総合木曜22時からの、総合診療医ドクターG、です。
2010年頃からあった番組ですが、今年はオリンピックで一時中断して、再開したところです。
研修中の若い医師3人が毎回チャレンジし、先輩医師からの出題に答えていきます。
若い医師達もなかなか優秀ですが、番組を作る上の戦略なのか、すぐには正解にたどり着けないように、ひねってあります。
しかし最後にはしっかり正解にたどり着くよう、先輩医師がやさしく導いている感じ。
そして最後に、若い医師達に贈る教訓をいただいて、すがすがしい気分で終わる。
みなさんも一度、視聴していただいてはどうでしょうか。
さてNHKといえば、番組「クローズアップ現代」の中で、糖質制限食が放送された、とのこと。
残念ながら見過ごしてしまいましたが、ホームページで要旨を拝見しました。
内容は、糖質制限食だけではなく、様々な新しい糖尿病治療法についてのものでした。
しかし、NHKでもとりあげられた、というのは、今後いよいよ広まっていく予兆でしょう。
糖質制限食の基本は、カロリー計算必要なし、となっています。
これが従来のカロリー制限療法と、まったく考え方が異なる訳です。
番組中にあった、糖質制限食の失敗例の患者さんは、糖質制限した結果、総カロリーも大幅に減らしてしまった。これでは自分の筋肉が分解されて、痩せてしまうのが当然です。
極端な糖質制限と、極端なカロリー制限を、同時に行うべきではないのです。
こういった、「やり過ぎ」の患者さんを、ローカーボ研究会では、「不安定ローカーボ」と名付けて、注意しています。こうならないためには、タンパク質と脂質の摂取を増やすべきです。
その際、植物性脂肪の摂取を増やして欲しいのですが(2012年3月17日ブログ参照)、糖質制限した時に、身近な食べ物は肉です。ところが、牛・豚・羊といった「赤肉」を食べ過ぎると、糖尿病になるリスクがかえって増加する、という報告があります。
そのメカニズムは解明されていませんが、糖尿病患者さんも、糖質制限食を取り入れた場合、赤肉の摂取を増やすのは、よくないと考えるべきでしょう。
肉が好きなら、なるべく白い肉(鶏、白身魚、エビ、イカなど)の摂取を増やすのがよいでしょう。
人間はサルから進化しましたが、サルは総カロリーの約95%を植物から摂り、残り5%は小さな昆虫から摂っているそうです。
人間は様々なものを食べる知恵を得て、雑食として生きていますが、サルの実例から考えると、動物由来の食品が多すぎてはダメなように、できているのかもしれません。
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