2012/11/14 世界糖尿病デー @千種区 内科

2012/11/14 世界糖尿病デー @千種区 内科

2012年11月14日

11月14日、今日は世界糖尿病デーで、糖尿病の脅威を啓蒙していこう、というコンセプトで制定された記念日であるそうです。
新聞には関連記事が載っていましたが、その他ではあまり耳にすることがなかったかも知れません。
それにしても、我が国を含めてアジアに、なぜこんなに糖尿病が多いのか、なぜ我が国では依然として糖尿病患者さんが増え続けているのか。
これについては、いろいろな原因が考えられます。
医師として、とにかく何とかしなければ、という想いで、順次述べていきます。

前々回(2012/10/27)の補足として、赤肉、白肉についてもう少し述べます。
赤肉は赤筋(遅筋)で構成され、これに含まれるミオグロビンは、持続的に運動するために必要な酸素を筋肉中に蓄えるためのもので、赤肉の典型例は、一生泳ぎ続けるマグロの赤身です。
またどんな動物も、心臓の筋肉は当然赤肉です。
一方、普段はじっとしているのに、突然速く動く動物の筋肉は、ミオグロビンを含む必要がないので白筋(速筋)となり、ヒラメ、エビがその典型です。
赤筋、白筋の他には、その中間的な役割の中間筋も存在します。
純粋な赤筋、白筋のみからなる筋肉はなく、これら3種の筋が様々な割合で混じっています。
 
さて陸上動物はどうでしょうか。
牛はじっとしているように見えますが、常に立っていて少し左右に揺れています。
牛にとってはこれが持続的な運動であるため、牛肉はほぼ赤肉となっています。
豚肉、鶏肉は、生の状態ではピンク色に見え、赤肉と白肉の中間的なものです。
鶏の場合、もも肉を加熱すると、断面がやや黒っぽく見えます。
このため鶏のもも肉は英語でdark chickenと呼ばれています。
これはミオグロビンの色で、鶏はずっと立っているため、牛と同様にミオグロビンを必要としているのです。
しかし、鶏はめったに羽ばたきませんから、鶏の胸肉やササミは白肉が主体です。
 
シャケが白身であることは、前回にも触れました。
シャケは小エビをたくさん食べるため、本来白身であった自らの肉が、小エビが持っているアスタキサンチンという赤い色素に染まっている訳です。
白身魚は全体に身が透き通った白肉から成っていますが、側線の下には血合い肉を持つものがあり、この部分は赤肉となります。
アジは白身と思われていることが多いと思いますが、全体に薄い赤色が混じっており、なんと赤身魚に分類されています。 

今回は赤肉白肉の解説で終わってしまいましたが、これらのことは、一般知識でもありますから、ぜひ皆さんに知っておいていただきたいと思います。
なぜ私がこんなに赤肉白肉にこだわるのか、については、次回、「我々はイヌイットにはなれない―その2」と題して、肉の話題の締めくくりを述べたい、と思います。


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