2013/04/15 慢性腎臓病について @千種区 内科

2013/04/15 慢性腎臓病について @千種区 内科

2013年04月16日

ご無沙汰です。すっかり暖かくなりました。
最近のいいニュースといえば、プロ野球、DeNAベイスターズのラミレス選手の2000本安打達成がありました。長く日本で活躍し、外国人として初の快挙、立派なものだと思います。
ベイスターズファンではないとしても、好感の持てる選手です。
今後、日本への帰化を考えているとのことですが、実現しますかどうか。

ちょっと遅れましたが、3月の話題として、世界腎臓デーというのがありました。
今年は3月14日がその日で、この前後に新聞やTVでとりあげられていました。
慢性腎臓病という病名を世間に広く浸透させよう、という活動なのですが、なにしろ、この病名は、残念ながら一般の方には意味がよくわからない。
従って病名から受けるインパクトがなく、なかなか浸透しにくい印象があります。

しかし、近年の高血圧治療、糖尿病治療は、慢性腎臓病の診療と大きく関わっています。
腎臓の糸球体の血管は細くてデリケートなので、高血圧や高血糖によってダメージを負い、次第に尿にタンパク(アルブミン)が漏れるようになります。
このため日常診療の中で、腎機能を測ることと、尿タンパクが出るかどうかを測ることはとても重要です。
腎機能は血液検査で血清クレアチニン値を測ることで得られ、尿タンパクは、簡便な試験紙法、ないし尿タンパク定量を行います。
とくに糖尿病のある方では、尿中の微量アルブミン定量を行います。

これらに異常があるかないかで、脳卒中などの合併症の危険度を知る訳です。
例えば腎機能が正常な人に比して、腎機能が軽度低下した人は全死亡率が約2.5倍、腎機能が明らかに低下した人(慢性腎臓病4期以上)では約4.5倍となります。
さらに細かく分けると、尿タンパクが出るか出ないかで、これらの危険率も左右されます。

これらは患者さんにとってあまり負担の多い検査ではないので、血圧を測ることや糖尿病の状態を知ることとは別に、定期的に行うべきものです。

なので、今回みなさんにアピールしたいことは、ただ一つ。
それは、高血圧や糖尿病で内科に通院されている患者さんは、いつでも院内で尿検査ができるように心がけていただきたい、ということです。
我々医者は、高血圧や糖尿病の状態を診ながら、腎臓の状態も診ているのです。

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