2013/06/09 アルコールの適量について @千種区 内科

2013/06/09 アルコールの適量について @千種区 内科

2013年06月10日

いつしか梅雨の季節となりました。晴れ間はしっかり暑いが、曇りや雨の日もあり、なにかと体調が変化しやすい季節ですので、ぜひご自愛下さい。

間があいてしまいましたが、2月3日に書いた、アルコール代謝の続編です。
アルコールが代謝されると肝細胞内でアセチルCoAに変換され、これを代謝するには、糖質由来のオキサロ酢酸が必要、とすでに書きました。

ここでまず、適量のアルコール(エタノール)について確認です。
1日あたり純アルコール20gが適量とされていますが、これに相当するのは、日本酒の場合、アルコール度数15度の商品とすると167ml(約9勺)。
ビールは5度であれば500ml、焼酎は25度であれば100ml(約5.5勺)です。
日本酒は1合が適量とよくいわれますが、それではわずかに適量オーバーなのですね。あと、商品によってアルコール度数が異なれば、もちろんそれに応じて変化します。
焼酎は、水などで割る方が多いので、割る前の量を把握しておくとよいと思います。

さて、これらの適量のアルコール(20g)を代謝するのに必要なブドウ糖量は?
計算してみますと、78.14g、となります。
ブドウ糖は1gあたり3.35kcalですので、約262kcal、となります。
夕食が700~800kcalと仮定して、標準の食事なら炭水化物が400~500kcalくらいですから、アルコール由来のアセチルCoAを十分代謝できます。

夕食にローカーボダイエットを採用する場合、糖質量が262kcalを下回ると、残ったアセチルCoAは、分解されずに中性脂肪合成へ進みます。
もし、厳しい糖質制限食で、適量を超えるアルコールを飲むと、確実に脂肪肝が進行することになります。
これが、習慣的にアルコールを摂取する方に対する、要注意点です。

もうひとつ付け加えておきたいことがあります。
すでに糖尿病としてメトフォルミンを投与されている方が、厳しい糖質制限食とともに多量のアルコールを摂取すると、危険です。
なぜなら、アルコールも、メトフォルミンも、糖新生を抑制しますから、飲酒中ないし就寝中に血糖値が低下して、低血糖発作を起こす可能性があるからです。
怖いですね。
せっかくの楽しいお酒は、こういった心配をしなくてすむように飲みましょう。

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