2013/09/16 糖尿病治療の課題―認知症 @千種区 内科

2013/09/16 糖尿病治療の課題―認知症 @千種区 内科

2013年09月16日

最近の話題といえば、スポーツ界の大ニュースが3つもありました。
一つは2020年東京オリンピック開催決定ですね。
この大ニュースから1週間も経たず、興奮も冷めやらぬうちに、プロ野球楽天田中将大投手の通算25連勝という世界記録達成、さらにはヤクルトバレンティン選手のホームラン記録もありました。
これらもプロ野球の歴史が変わった、とも言える大ニュースでした。
皆さん、生みの苦しみは相当なものであったと思いますが、よく頑張られました。

さて、糖尿病患者さんを含めて生活習慣病患者さんを診療していまして、痛切に思うことがあります。
結局、命取りになる病気の代表として癌があり、また、命取りにならないがゆえに最も問題となる病気として、認知症があるということ。
このふたつをどう予防するか、また早期発見するか、ということです。
両者とも、生活習慣病治療における最重要課題、といえます。

まず認知症について考えてみますと、糖尿病患者さんは認知症になりやすいという事実があります。
糖尿病は血管を傷める病気ですから、血管性認知症になりやすいのは想像に難くないことです。
しかし、アルツハイマー病にもなりやすいことが判明しており、その原因の一つとして、インスリン分解酵素仮説というのがあります。
日本人の2型糖尿病患者さんに多い、インスリン抵抗性の強い例においては、常に高インスリン血症が認められます。
インスリン分解酵素はこれを分解することに集中するため、アミロイドβタンパクを分解できず、これがアルツハイマー病を発症させやすくする、というものです。
実際にはアルツハイマー病の発症メカニズムはもっと複雑なのですが。

これを踏まると、アルツハイマー病を少しでも発症させにくくするには、インスリン抵抗性を改善させ、高インスリン血症を改善させることが重要になります。
これにはまず、運動療法がよいことがよく知られています。
とくにリタイヤされた患者さんは、是非運動習慣をつけていただきたいと思います。

食事療法では、例えば低GI食品(食物繊維も含む)、ゆっくり食べること、これらは低インスリン生活を実現する上でのキーポイントになります。
ローカーボダイエットも、ある程度ならよいでしょう。
また、魚は積極的に食べるべきです。
糖尿病薬を用いるなら、インスリン分泌系ではなく、抵抗性改善薬を選ぶことです。

あと、タバコは是非やめましょう。タバコは本当に百害あって一利なしです。
また、日々楽しく過ごすこと、趣味を持つことも、脳には好影響をもたらすでしょう。
これらがアルツハイマー病を発症しにくい生活です。、明日からでもできそうですね。

愛知県名古屋市千種区にある内科で食事療法による高血圧や糖尿病治療なら
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