2011/09/23 ダイエットの意味について

2011/09/23 ダイエットの意味について

2011年09月23日

先日の台風15号は、静岡県から関東地方を直撃し、またも大きな被害を産み、大変でしたね。名古屋は当初予測されていたよりは被害が少なく済みました。
やれやれですが、しかし、今後もこういう思いはなるべくしたくないものです。

今日は、意味を間違いやすい言葉のお話です。
みなさんはダイエットdiet、という言葉の意味を、正しく答えられますか?
やせること、体重を落とすことだと思っていらっしゃった方が、多いと思います。このため、「ジョギングしてダイエットした」というような、とんでもない間違った使い方が、まかり通っています。
あるいはダイエットとはカロリー制限だと思っていらっしゃる方も多く、例えばダイエットコーラ、なる商品名がありますが、これも私には違和感があります。

正しくは、ダイエットとは、病態に応じて、それを改善させる、あるいは悪化させない目的でアレンジされた、制限食のことです。
一言で言うなら、「ダイエット=治療食」です。

「治療」を英語でセラピーtherapyと言いますが、食事療法はダイエットセラピーdiet therapyです。
一方、薬物療法はドラッグセラピーdrug therapyとなります。
食事療法とは、様々な病気に応じて用いるもので、決して肥満患者さんだけを対象とはしていないのです。

まだ意味がわかりにくいと思いますので、例を挙げます。
例えば、
高血圧には一般に塩分制限が治療食、
慢性腎不全には塩分制限、水制限、タンパク制限、
C型慢性肝炎には鉄制限、
アルコール性肝炎や脂肪肝にはアルコール制限、
甲状腺機能低下症にはヨード制限、
てんかんにはケトン食(=低炭水化物食、高脂肪食)
身近なところで、便秘症には食物繊維を含む果実や野菜や海藻類の摂取が有名ですが、冷水や牛乳を飲む、といったものもあります。
不眠症には青汁や牛乳、鶏のスープを飲む、といったものもあります。
これらはすべて、それぞれの病気に応じた「ダイエット療法」です。
このように、病気によって、治療食のバリエーションがあるのですね。制限食といっても、「何かを減らす」ばかりではなく、場合によっては「何かを積極的に摂る」こともあるわけです。

私のホームページには、低炭水化物療法が、体重減少効果がある、と書いています。
低炭水化物療法は、低炭水化物ダイエット、と言い換えてもよいのですが、こう書くと、やっぱりダイエットはやせること、と勘違いされそうですので、あえて低炭水化物療法、と書いた訳です。

細かいことでしたが、やはりみなさんに正しい意味を知っていただきたいものです。
また次回、違う言葉をとりあげたいと思います。

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