2011/10/23 メタボとは

2011/10/23 メタボとは

2011年10月23日

すっかり秋らしくなりました。皆様お元気でしょうか。
今日は、間違えやすい言葉の第2弾。メタボリックシンドロームについて、です。

40歳以上の方の特定健診制度が始まって、今年は4年目になります。
特定健診は、生活習慣病を発見するためのもので、別名メタボ健診と呼ばれています。
健診の判定にも、メタボリックシンドロームであるかどうかが明記されています。
しかし、メタボリックシンドロームについて、理解しておられる方が非常に少ない、と感じます。

メタボリックシンドロームは、肥満、とくに腹部の内臓型肥満が、高血圧や糖尿病、脂質代謝異常を生み出した状態のことです。
なぜこれが重要かというと、メタボリックシンドロームは、さらには心筋梗塞や脳梗塞といった
心血管疾患を誘発しやすくする、という事実に基づいて定められたものです。

さて、ところでメタボリックとは何でしょうか。クイズに出てきたこともあります。
メタボリズムmetabolismは「代謝」、メタボリックmetabolicとは、「代謝の」という意味です。
メタボリックシンドロームはすなわち「代謝症候群」と直訳されています。
代謝とは糖代謝および脂質代謝のことですが、確かに「代謝症候群」では意味が伝わりにくいですね。そこで一般の方の中に、メタボリックの意味が、肥満であると勘違いされている方がいかに多いか。
腹がボヨヨンと出てきた「メタボ父さん」みたいな言葉が、一般化していますね。
しかし、これでは意味を間違えています。

これではメタボリックシンドロームのことを理解していただくのには程遠いと、感じて、私は
「要するに食べ過ぎで運動不足が続いた状態です。生活習慣病、あるいはその一歩手前です」
と、説明しています。
これで100%の説明でありませんが、一般の方が、おおまかに理解していただくには、これで十分と思います。

メタボリックシンドロームの、細かい診断基準の解説は、ここでは省きます。
基準を皆さんに覚えていただくことなんて、まったく意味がないとさえ思っています。
ただ、基準にはいまだに問題点がいろいろあります。
この問題点についても、述べれば大変長くなってしまいそうなので、やめておきます。

そんな細かいことよりも、メタボリックシンドロームの患者さんはどうすればよいのか?
これが大切です。
「食べ過ぎを控えて運動すればよい」のは誰もがわかっているはずですが、そうは言っても、仕事のせいで運動する暇がない患者さんが多いのも事実です。
そんな場合、食事療法に重きを置くことになります。
今までの食生活の、何が間違っていたのか?これを理解していただけば、十分すぎます。

幸いなことに、メタボリックシンドロームに、低炭水化物療法は、とても有効と考えられます。
皆さんにもぜひ、薬なんか使わずに、メタボリックシンドロームを克服していただきたいものです。
また、ダイエットと合わせて、言葉の意味を誤解されている方が、少しでも減れば幸いです。

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