2011/11/08 インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン @名古屋市千種区 内科
2011年11月08日
秋色深く、日によっては暑かったり、また非常に寒かったり、風邪をひきやすい季節です。
同時に、11月になりますと、インフルエンザワクチンを接種していただくのに適した時期となりました。
すでに接種された方も多いと思います。生後6か月から12歳11か月までの方は、十分な免疫獲得のためには2回接種が必要ですので、10月末か11月上旬に1回目を済ましておくとよいです。
13歳以降の方は1回接種でよいのですが、11月中から、遅くとも12月上旬に接種をお勧めします。
また同時に、成人用の肺炎球菌ワクチン接種を希望される方が、今年は多くいらっしゃいます。
これは、テレビCMと新聞広告による効果が絶大です。
中尾彬さんと加賀まり子さんの、あのCMですが、お二人の存在感に、あらためて脱帽です。
中尾さんは現在69歳ですが、64歳の時に肺炎に罹患され、大変な思いをされたとのことです。
やはり肺炎は侮れない重病で、65歳以上の方に肺炎球菌ワクチンが勧められているわけです。
この時期に肺炎球菌ワクチンのCMが流されるのは、とてもよいタイミングと思います。
なぜかと言うと、インフルエンザが重症化して、入院が必要になったり、命を奪われるような可能性があるのは、肺炎、脳症、心筋炎を合併した時なのですが、このうち肺炎は、インフルエンザウイルスによる肺炎ではなく、主に肺炎球菌による肺炎、すなわち「二次感染」と言われるものであることがわかっています。
従って、高齢の方にとって、万が一にもインフルエンザで肺炎を併発しないためには、両方のワクチンを接種しておくべきだからです。
思えば2009年5月ごろに新型インフルエンザが発生した時も、日本中がインフルエンザパニックとも言える状態になりました。
新型インフルエンザがどれくらい恐ろしいものか、まったくわかっていなかった事と、新型インフルエンザ用のワクチンがなかなか流通しなかったため、とにかく肺炎にならないように、と、肺炎球菌ワクチンだけでも接種しておきたい、という問い合わせが殺到して、一時期はワクチンが品切れとなりました。
これはCMではなく、テレビ番組で新型インフルエンザの情報を毎日のように放送していた影響でした。
さて、肺炎の原因となる種々の細菌のうち、もっとも多いものが肺炎球菌で、これに対する免疫を獲得するのが肺炎球菌ワクチンです。
65歳以上でとくに高血圧や糖尿病、心臓病、呼吸器疾患、腎臓病などをお持ちの方には確かにお勧めです。
肺炎のすべてを予防できるわけではないのですが、入院することや死亡してしまう確率を低くするのは確実なようです。
名古屋市では65歳以上の方に約半額の助成があり、自己負担は4,000円です。
多くの方がご存じのように、5年間有効ですので、これを考えると、お得なワクチンと言えると思います。
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